〜 地域に暮らす 〜
<入所施設に住む>
僕は知的障がい者の入所更生施設に住んでいたことがあります。
一人部屋ではありましたが、隣の部屋には施設を利用する人々が暮らしていました。
まさに障がいを持った人たちと寝食をともにする毎日でした。一緒に寝起きし、一緒に働き、一緒に・・・
今振り返ると、この経験が僕の一番大きな財産の一つです。
<施設での暮らし>
休みの日には、僕は友だちと遊んだり、ひとりで買い物に出かけたりと自由でした。
もちろん施設で暮らす障がいを持った人たちも、休日には遊びに出かけたり、テレビのある居間でゆっくり過ごしたりしています。
しかしそれぞれ思い思いに過ごしているわけではなく、みんなでドライブするとか、みんなでテレビを見るとか・・・
そしてその傍らには職員たちがいます。親御さんたちは「うちの子のことをよく知っている職員と一緒だから安心!」と感じておられたようですが、彼らにしてみればどうだったのでしょうか?
例えば僕だったら、一日中同じ人との活動が毎日だったら、休みの日に毎回遊びに行く人が同じ人だったら・・・ たぶん嫌だと思います。
障がいを持った人は特別で、遊びに行く人や寝食をともにする人が同じ人でもかまわないのかなぁ〜という疑問がふと心の中に浮かび上がりました。
<利用者と職員>
入所施設に住んでいた頃、僕は休みの日に自分の部屋で過ごすことができませんでした。
なぜなら他の職員たちは僕の周りで、一生懸命に働いているのです。
自分の部屋とは言えど、僕はゆっくりした気持ちにはなれませんでした。
どうしてなんだろう?
たぶん障がいを持った人たちも僕と同じように感じていたに違いありません。
そのわけは・・・
入所施設とは「利用する人にとっては生活の場」、「職員にとっては働く場」
このギャップが埋めきれないのです。
だったらどんな環境を彼らに提供すべきなのか、どんな関わりが彼らにとって必要なのか・・・
札幌発「福祉の住人」で明らかにしていこうと!
平成21年12月15日(火)
(C) Takashi Yokota 2009
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