「注意喚起ーズ(2)」の続き・・・
ある知的障がい関係の作業所でのこと。
一通り様子を見学させてもらった後、誰もいない食堂でお茶をいただきながら休んでいると・・・
その食堂に女性利用者がひとり入ってきました。
どうも彼女も休憩の様子で、イスに座りしばらくをボーッと。
食堂といっても広い空間ではないので、「なんか話しかけないと気まずいかな」っとか思いながら、しばらくして彼女の方を見ると。
「エッ胸がはだけてる?」
「いや違う。わざわざ胸を出してるって感じ・・・」
おどおどした僕を見て、彼女はもっと大胆に・・・
彼女は脱ぐと注目をされるってことを知り・・・
「脱ぐ」→「注目される」
「さらに脱ぐ」→「さらに注目される」
彼女の「脱ぐ」という行動は、たくさんの注目を浴びて、どんどん強化されていってしまったのです。
そう注意喚起行動の誕生です。
もちろん保護者や学校の先生も最初は彼女の行動に対して注意したり、叱ったりしたでしょう。
しかし注意されたり、叱られたりすることも注目されることに変わりはないので・・・
彼女の「脱ぐ」という注意喚起行動は、ますますエスカレートしてしまうわけです。
とある支援者が、彼女に関わる周囲の人々にこう言いました。
「彼女が脱いでも注目しない!ってことを徹底してください」と。
それから・・・
「脱ぐ」→「無反応」
「さらに脱ぐ」→「無反応」
これを根気強く続けることで、彼女の「脱ぐ」という注意喚起行動は、段々と見られなくなっていったのです。
めでたしめでたし・・・
「注意喚起ーズ(4)」に続く・・・