平成13年に北海道にやって来て、何も知らないまま踏み込んだ福祉の世界。
僕は我が住人とともに、施設に住み込み・・・
なんて話は「地域に暮らす」で話したので割愛。
とにかく目に映るすべてが初めて・・・
そんな入所施設での暮らしの中で、僕が感じたこと。
時々通所施設にも顔を出し、自宅から通う我が住人たちと、入所施設の我が住人たちを見比べて・・・
「靴下がカラフル」
通所施設ではたくさんの洗濯ものを効率的に処理するため、当然あらゆるものに名前が書かれている。
特に靴下は誰のものかか判別しやすいように、全員が白いものを履き、白地に黒い油性ペンではっきりと名前が記入されているのだ。
だから自宅から通う我が住人たちが、カラフルな靴下を履いているのを見て、僕が担当する入所施設の我が住人にはカラフルな靴下を履かせたいなって・・・
他にも違いが・・・
薬の量だ!
入所施設では精神安定剤、下剤等を含め、ほとんどの人が薬を服用していた。
でも通所の我が住人たちは、薬を服用している人たちが少なく・・・
「靴下」や「薬」、こんな形で親御さんの愛情が節々に感じられる。
もちろん投薬は必要だから導入しているわけで・・・
薬の服用を批判するつもりはない。
しかし導入に際して、どれくらいの議論がされたのかは定かではない・・・
今でも真っ白い靴下を見ると思い出す。
僕にとって真っ白な靴下は「効率化」の象徴であり、「サービスを受ける人の利益の先に僕らの利益がある。」 という僕の理念に反するものだということを・・・
豊かな社会ってなんだろう?
もし日本が豊かな社会を目指すのであれば、「幸福」という数字にできないものに社会全体が対峙せねばならないと・・・
20世紀は「資本主義」か「社会主義」かっていう時代だった。
それらが曖昧になった今、豊かな社会を実現するために僕らが進むべき方向とは・・・
僕は我が住人たちとの暮らしの中で、ここにこそその答えがあるのではないかと、ずっと感じていました。
なぜならそれはこの社会の「潤い」を担保しているのが、まぎれもなく知的障がい児者福祉であると確信したからです。
「社会の潤い」
僕はこのことを伝えたくて今日まで福祉の住人を書き続けてきました。
そして今それが終わりを迎え・・・
でも終わりはきっと次の始まりです!
きっと・・・
※僕の近況やネットTVなどに関しては、これからも更新していく予定です。
たまには遊びに来てやってください。
長い間お付き合いいただき、本当にありがとうございました。