「義務と権利(4)」の続き・・・
確かにこれまでの社会は、我が住人たちのように障がいを持った当事者たちの権利を、不当に奪ってきた社会だったのかもしれない。
だから今こそ、権利を主張し、その権利を奪還すべき!
しかし忘れてはならないことは、権利と義務はセットだということ!!
権利だけを主張すれば、きっとこの社会から追いやられてしまうって・・・
僕はそう思います。
そして福祉にはもっと税金を投入すべき!
しかしそれは障がい当事者が働かなくても暮らせるようにするためではなく、現在その障がいゆえに奪われてしまっている権利を彼らに返すために・・・
我が住人たちも、僕と同じように希望を持ち、夢を持ち、たった一度の試みであるその命を輝かせて生きていきたいのです。
僕は強度行動障害、そして自閉症を併せ持つ我が住人たちと一緒にいるころ
「地域の中で当たり前の暮らしを・・・」
そうスローガンに掲げて、街の中で暮らす実践を積み重ねていました。
でもある時気付いたのです。
地域の中で当たり前の暮らしを!ってのは我が住人たちの夢ではないってことに・・・
これはきっと保護者の希望であり、保護者の夢なんだってことに!
<我が住人の夢>
その当たり前の暮らしの中で、どう自己実現あるのか?
我が住人たちも、希望を持ち、夢を持ち、それを叶えたいと真剣に思っています。
我が住人への僕の関わりが上手くいかない時は、きっと彼らの気持ちをないがしろにして・・・
彼らにしてみれば「地域の中で当たり前の暮らしを・・・」なんて、そんな低次元のことを求めてるんじゃないって!
しかしここで間違って捉えてはいけないことが・・・
支援者の仕事は、彼らの希望や夢を叶えることではありません。
あくまでも夢や希望を持てる暮らし、要は彼らに権利を返すこと。
それが支援者の仕事なのだと僕は思っています。
希望や夢が叶うか、叶わないかは、当然我が住人次第!
それで良いのです。
それこそが正に権利を彼らに返すことなのだと!
もちろん権利と義務をセットで・・・
平成22年8月22日(日)