〜 握手マシーン 〜
<構造的な解決>
本日は翼さんスペシャル!
鴻上尚史さん率いる「第三舞台」に、かつてこんなネタが・・・
5m先の人に、鉄砲で弾を確実に当てる方法〜
1:5m進んで、目の前で撃つ。
2:鉄砲の長さを5mにする。
3:弾の長さを5mにする。
etc・・・
この課題を解決するためには、いろんな方法がありますが、特に2番や3番の解決方法を「構造的な解決」と呼びます。(厳密に言うと1番も構造的な解決)
我が住人たちは、実に様々な不適応行動を起こしてくれるわけで、それに対して「○○さん、それはダメ!」とか「○○さん、それ困るぅ〜」とか・・・
そんなことを言ってしまっている自分に、段々と嫌気が差してくるわけで。
当然、自分の捉え方や環境設定の問題なんじゃないかと気付くわけです。
そこで構造的な解決が必要となるわけです。
※構造的な支援に関しては「構造化という支援」でじっくり語ります。
<失敗は成功の素>
バケツと火バサミを持ったこの写真。
これも構造的な解決への取り組みのひとつです。
彼は歩いている時に石を見ると蹴ってしまうのです。
思いっきり・・・
人に当たったり、車に当たったりしたらどうしよう?って隣にいる支援者はハラハラ!
それならば!
公園とかに行く際に、バケツと火バサミを持ってもらって、石を見たら火バサミでつかんでバケツに入れるって教えてみました。
彼はすぐに理解して、石を蹴らなくなりました。
近所の人たちには「ゴミ拾いして偉いね!」って褒められたぐらいにして・・・
我が住人たちも僕と同じように褒められるのは、もちろん大好き!
褒められるとますますがんばっちゃいます。
しかし問題は解決しませんでした。
バケツと火バサミを持っている時以外は・・・
やはり彼は石を蹴ってしまうのです。
でもそこでめげたらダメ!
次こそホームランを打ってやるって、その気持ちが大事(笑)
<打率じゃない>
ってなわけで打率じゃないんです。
10回でも、100回でも、1000回でもホームランを目指して知恵比べ!
あきらめないことが大事なのです。
かのエジソンはフィラメントの素材に日本の竹がピッタリなことを見つけ出しました。
でも見つけ出すまでに、1200回以上の実験を繰り返したわけです。
周囲の人々は、失敗を繰り返す彼に「もうそろそろあきらめたら」などと言ったそうですが、彼は実験に失敗するたびに「またひとつフィラメントに向かない素材を発見した!」と・・・
なんて前向き!
見習わないとです。
というわけでここでまたまた僕の失敗作の紹介。
この写真「握手マシーン」です。
彼は握手が大好き!
しかし女性や子供に対して、やや過剰な接触が・・・
僕はいつも握手する彼に「あ〜近づき過ぎ!」とか、「もう終わり!」とか。
そこで発明したのが、この「握手マシーン」です。
「握手は保障してあげたい!」
「でも注意はしたくない!」
そこで構造的な解決の登場です。
筒の中で握手をすることで、困ったなぁ〜と感じられる過剰な接触が避けられ、且つ彼の大好きな握手を存分に保障できる。
ちなみにこの写真は、その第1回目です。
本当に嬉しそうな彼!
僕が「大発明だ!」と思った瞬間の写真です。
しかしやはりしばらくすると、彼も飽きました。
当然ですよね。
<切り口はたくさん>
もちろんこんな失敗くらいでめげたりはしません。
次は「100万人と握手することに挑戦!」
ってなのぼりを背中に背負って、一緒に全国を行脚しようかと・・・
何も握手自体は悪いことではない。
「彼が握手を求めるのではなく、彼が握手を求められる存在になればよいのだ!」
しかしこれは実践には至りませんでした。
にしてもすべての事象は捉え方次第。
切り口はたくさんあるのです。
さあその失敗の先に成功を求めて・・・
平成22年1月4日(月)
(C) Takashi Yokota 2010
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