〜 僕たちの失敗(3) 〜<苦渋の選択>というわけで「僕たちの失敗(2)」の続き・・・ 結果からいうと、どんなアプローチも窓を半開きにさせておくことはできませんでした。 我が住人であるその彼は、暑がりで、汗かきで、冬でも薄着でいることが多い人でした。 エアコンもかかっていない窓の閉まったその部屋で、彼はダラダラと汗を流しながら作業をしています。 僕は最終手段である「禁止の構造化」を試みることにしました。 <禁止の構造化>建築系のお仕事をされている保護者の方に教えていただきました。 窓枠を動かせないように固定する器具の存在を・・・ 僕は早速それを借りて、みんなが帰った誰もいない作業所で、彼の部屋に取り付けました。 「きっとこれで彼も窓は半開きのままを理解してくれるに違いない!」って願いながら・・・ <成功?>次の日、彼が登所してきました。 僕はいつものように「○○さん、窓は開けたままで大丈夫だからね」と言うと、彼は「わかってるよぉ〜」と元気良く飛び跳ねてくれました。 そして彼は作業部屋に向かい、いつも通り半開きの窓を閉めようとしました。 もちろん閉まるはずはありません。 彼は少し強迫的に窓を閉めようとしましたが、しばらくするとあきらめたのか作業を始めました。 僕はややホッとしてエアコンの効いた涼しい作業部屋を出ました。 <彼からのメッセージ>少し時間をおいて、彼の作業部屋に戻ると・・・ なぜかおびただしい量の水が床にこぼれています。 その水は・・・ おしっこでした。 彼はその横で一心不乱に作業をしていました。 「僕たちの失敗(4)」に続く・・・ 平成22年2月19日(金)
(C) Takashi Yokota 2010
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