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写真:辰徳さん(作業所)

〜 障がいってなに?(1) 〜

<病気と障がい>

障がいとはいったいなんなのでしょうか?

当事者と関わったことのない地域の人や、僕の作業所に実習に来た大学生、専門学校生によく聞かれたのが「病気」と「障がい」の違い。
では「病気」と「障がい」はどう違うのでしょうか。

 ・ 病気は治る

 ・ 障がいは治らない

この仕事を始めたばかりの頃、僕はこのように答えていました。
今は少し違う感じで捉えています。

 ・ 病気は治る

 ・ 障がいはなくなる

と言われてもしっくり来ないのではないかと思います。
最初の言いっぷりの方がまだ納得できるのではないかと・・・
では<僕の中のA君とB君>を読んでみてください。

※ 現在の医学では治ることのない病気で苦しんでいらっしゃる方、もしくはその関係者の方へ、ごめんなさい。「障がい」を捉える上でのひとつの切り口として、「病気は治る」とさせていただいています。ご了承ください。

写真:聖さん(市立病院)

<僕の中のA君とB君>

A:ところでB君、自閉症って障がいなのかな?

B:当たり前やんか!障がいに決まっとるやないかぁ〜

A:そうかなぁ〜切り口によっては1つの個性とは考えられないかい?

B:アホぬかせ!野球の才能をもって生まれてきたらええなぁ〜言う親はおっても、自閉症をもって生まれてきたらええなぁ〜言う親はおらんで!

A:子供をもったこともないのに、そういうものの言い方をするのは危険だと思うけど?

B:わかった!証明したるぅ〜仮にやで、もし自閉症が治る薬がここにあったらやで、飲ませへん親はひとりもおらん!

A:さっきから聞いていると君のもの言いは常に自分だったり、親だったりのいわゆる君が健常と分類している立場の人からのものばかりじゃないか?

B:ちょっと待てお前のほうこそやな、「障がい者は不幸せ」なんつー思い込みがあるんとちゃうか?

A:だったら本人たちにとってどうなのさ?本人たちにとって自閉症は障がいなのかい?

B:そりゃ〜わかっとらんやつもようけおる!けどな「健常」と「障がい」は差別やない!区別やで!

A:区別といいながら言葉の中には差別が内包されている!外国人のことを「白人」や「黒人」と呼んどきながら僕たちは自分たちのことを「黄色人種」と呼んでいる!その法則から言えば「黄人」だろ普通!

B:たわけ!それとこれとはちゃうやんか!

A:じゃあ聞くけど、一般社会においてメガネをかけている人は障がい者とはみなされていないのに補聴器をつけている人は障がい害者とみなされる傾向にある。それは社会の認知の問題ではないのかい?

B:聴覚障害の場合はそれに言語障害が付随する場合があるからやろ!ボケ!

A:ちがう!メガネをかけている人が市民権を得ているだけだ!それは集合の大小に起因しているはず!

B:しばいたろか!

写真:耕輔さん(屯田公園)

<あなたはA君派?B君派?>

A君、B君お疲れ様でした。
さてみなさんはどのように感じましたか?
「私はA君側だわ!」「いや僕はB君を支持する!」なんて自分の中で考えてくれていたら幸いだなぁ〜と思います。
これを読んでもし「私はA君が〜」とか「私はB君が〜」と感じたのならば、やはり「病気は治る」「障がいは治らない」がしっくり来るはずです。
しかし「二人とも何か違う〜」って感じた人も中にはいるでしょう。
ではその理由を探るため<僕の中のA君とB君>のベースにあるものはなんなのかを、「障がいってなに?(2)」で考察してみたいと思います。
というわけで続く。

平成21年12月23日(水)

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(C) Takashi Yokota 2009