というわけで「構造化という支援(5)」の続き・・・
にしてもこの一目瞭然の「構造化」
こういうふうにしてもらいたいなぁ〜ってことだけでなく、してもらいたくないことにも有効です。
強いて言えば、してもらいたくないことの場面での方が、多く活用されているの現状かもしれません。
もちろん信号の話と同様に、この世界には「しちゃダメ」っていう構造化も、たくさん見受けられます。
「立ち入り禁止」なんてのも、そのひとつです。
また最近の銭湯で、シャワーが蛇口をひねるタイプでなくプッシュ式なのは、まさに構造化によって出しっぱなしを防ぎ、水を節約するためだったりも・・・
我が住人のひとりに、トイレットペーパーの芯を便器に流すこだわりがありました。
さてこの「こだわり」
当然「トイレットペーパーの芯を便器に流さないでね」っと口頭でお願いしてみたり、文字が読める人だったので張り紙をしてみたり・・・
しかしこだわりであるゆえに、そんなことでは収まりません。
そこで登場したのが構造化による解決。
様々な工夫をしてペーパーフォルダーから芯が取り出せないようにしました。
にしてもこれが大成功!
それ以来、我が作業所のトイレに、トイレットペーパーの芯が流れることはなくなったのです。
そして毎月のようにトイレを詰まらせては、業者を頼んでいた状況から抜け出せたのです。
しかしこの構造化には問題も多く含まれています。
ある面では我が住人に「伝える」ということを放棄したとも捉えられるからです。
そしてもちろん汎化もありません。
作業所のトイレではペーパーの芯を便器に投げ込まないかもしれませんが、他のトイレでは???
さて最近とある公共施設のトイレに入った時のこと。
なにやら違和感を感じてペーパーフォルダーに目をやると、鍵穴が見えました。
どうもトイレットペーパーが盗まれないようにって鍵をかけているらしい。
公共施設を管理する自治体は「トイレットペーパーを盗むべからず!」という当たり前のことを、市民に対して教育するのをあきらめたのです。
だからトイレットペーパーが盗み出せないように「構造化による解決」を図って。
「貧すれば鈍す」
僕は本当に不況なんだなぁ〜と改めて感じつつ・・・
にしてもあの時、我が住人はどう感じたのだろうか?
ある日作業所に来てトイレに入ったら、トイレットペーパーの芯が取れないようになっているのを見たあの時。
「構造化という支援(7)」に続く・・・っていうかいよいよラスト!