〜 体験と経験(2) 〜<体験> 本日は聖さんスペシャル。
僕は大学生の頃、馬に乗れるようになりたくて、3日間だけ乗馬スクールに行ったことがある。
僕にとって「乗馬スクールに行った」ことは経験ではなく、きっと体験なのだ。 <体験も大事だけど>自閉症のお子さんを持つ親御さんの中で、教育に熱心な人ほど、陥りやすい過ちというのがある。 「この子にはいろんな経験をさせたくて・・・」 往々にして、その親御さんが「経験」と思って子供にさせていることは、残念ながら「体験」の場合が多い。 もちろん「体験では意味がない」なんて言うつもりはない。
でもね、教育としてって考えるなら・・・ 「3日間だけ乗馬スクールに通った僕の過去は、今の僕を形成する上で、何ら影響はなかったと思われる。」ってことなので(苦笑) <散歩>ある我が住人と毎日マンツーマンで散歩に出かけていた。 始めの頃「今日はあっち行こう」って感じで、僕は彼をいろんな場所に連れて行った。
しかし僕も段々ネタがなくなり、気が付くと毎日同じ道を散歩するようになってしまった。
同じ道を散歩し始めて、3ヶ月くらい経った頃。
ちなみにその彼はほとんど言葉を話さない。
<経験> それから僕はその我が住人と3年くらい同じ道を散歩した。
同じ道を歩き始めて1年後くらいだろうか、ある日の散歩中に、道端に咲くチューリップを見て「花」と言いながら僕に確認を求めてきた。
僕に言わせれば、これこそがまさに経験なのだ。 「体験と経験(3)」に続く・・・ 平成22年1月20日(水)
(C) Takashi Yokota 2010
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