というわけで「僕たちの失敗(2)」の続き・・・
結果からいうと、どんなアプローチも窓を半開きにさせておくことはできませんでした。
我が住人であるその彼は、暑がりで、汗かきで、冬でも薄着でいることが多い人でした。
エアコンもかかっていない窓の閉まったその部屋で、彼はダラダラと汗を流しながら作業をしています。
僕は最終手段である「禁止の構造化」を試みることにしました。
建築系のお仕事をされている保護者の方に教えていただきました。
窓枠を動かせないように固定する器具の存在を・・・
僕は早速それを借りて、みんなが帰った誰もいない作業所で、彼の部屋に取り付けました。
「きっとこれで彼も窓は半開きのままを理解してくれるに違いない!」って願いながら・・・
次の日、彼が登所してきました。
僕はいつものように「○○さん、窓は開けたままで大丈夫だからね」と言うと、彼は「わかってるよぉ〜」と元気良く飛び跳ねてくれました。
そして彼は作業部屋に向かい、いつも通り半開きの窓を閉めようとしました。
もちろん閉まるはずはありません。
彼は少し強迫的に窓を閉めようとしましたが、しばらくするとあきらめたのか作業を始めました。
僕はややホッとしてエアコンの効いた涼しい作業部屋を出ました。
少し時間をおいて、彼の作業部屋に戻ると・・・
なぜかおびただしい量の水が床にこぼれています。
その水は・・・
おしっこでした。
彼はその横で一心不乱に作業をしていました。
「僕たちの失敗(4)」に続く・・・