例年に比べて、今年の札幌は寒い。
「作物の育ちが心配・・・」なんていうニュースが、ちらほらと巷に流れる。
にしてもこのところ急に暑くなり、っていうか本州並みの気温、そして湿度だ。
妙にジメッとしている。
北海道らしくない。
空気の質量がゼロとも思える、あの素晴らしい季節はどこへいってしまったんだ?
そんな話はさておき、季節変わりが苦手な我が住人たち。
いろんな理由はあるだろうが、そのひとつは「マニュアル自動車」でも書いたとおり、体温調節に問題があるのだ。
みんながみんなそうではないが、汗を上手くかけない人が我が住人の中にもいる。
だから身体の中に熱をため込んでしまい・・・
きっと言い表せないほどの不快感を抱えてしまうのだろう。
ちなみに体温調節の不具合は自閉症の人だけでのことではない。
かつてグループホームで一緒に暮らしていたダウン症の人もそうだった。
にしても周囲の人にその不快感を伝えられれば、対処法もあるだろうが、重度の知的障がいを持つ我が住人たちには「どんなふうに不快なのか」を伝えることは難しい。
時に耐え切れずパニックして不適応行動を起こしたとしても、なぜパニックしたかを周囲が理解しようとしなければ・・・
こんなことが何度も何度も繰り返されると、次第にその当事者はどうなるか?
表現することをもあきらめます。
ってことで受動型自閉症ができ上がります。
「指示待ちくん」
支援者同士の会話の中に、そんな言葉がよく出てきます。
「指示待ちくん」とは受動型自閉症の典型で、自ら行動はせず、誰かしらの指示を待ち、そう指示がないと動かない人たちです。
「それは障がいではなく、性格が怠慢なのではなかろうか?」
って思うかもしれません。
もちろん中にはそういう人もいるでしょう。
しかしほとんどの人は生まれつき「指示待ちくん」なのではなく、様々な経緯により「指示待ちくん」、つまり受動型自閉症になってしまったのです。
「受動型自閉症(2)」に続く・・・